私は介護福祉士としてキャリアをスタートさせ、約10年間特別養護老人ホームで勤務していました。転職した直接の理由はこちらの方面に引っ越す必要があったからでしたが、未経験の介護老人保健施設で働こうと思ったきっかけは、自分が経験したことのない施設では、どのように仕事を進めているのだろう、どんなことをしているのだろう、という「知りたい」という好奇心からでした。
初めての施設形態でしたので当然覚える事が多く、特に排泄やおむつ交換についてはこちらでの取り組み方やツールは自分にとっては初めての経験でした。平成の森ではCCS委員会(コンチネンスケアサポート)という委員会が中心となり「その人らしい排泄」を目指しています。具体的にはご利用者毎の食事量・飲水量・排泄量・タイミングなどの日々のデータを排泄表というファイルにまとめ、それを元にそれぞれの方に適したトイレへの時間やおむつ交換を実践しています。おむつについては、尿量などによって使用する種類を調整しており、最初は戸惑いながら覚えていきました。効率重視で全員一斉にというやり方ではなく、ご利用者毎に適切なタイミングを見極めておむつ交換をしているのは、とてもいいことだと感じています。平成の森の職員がとても大切にしている人間の尊厳や個人のプライバシーを守る一つの表れだと思います。
高校生の頃に祖母を介護した経験が下地にあるからかもしれませんが、ご利用者から「ありがとうね」と言われたり、他愛もない会話をしたりと、日常の何気ないコミュニケーションが私にとってはやりがいにつながっているのだと思います。私が勤務を終えて帰る際にも「気を付けて帰ってね」なんて言われると嬉しいですよね。